【COUNT関数・COUNTA関数・COUNTIF関数】

目次
1.指定範囲や条件を満たすセルの個数を集計する方法
2. COUNT関数/COUNTA関数/COUNTIF関数とは
・COUNT関数
・COUNTA関数
・COUNTIF関数
3.COUNT関数/COUNTA関数/COUNTA関数の使用方法
・COUNT関数
・COUNTA関数
・COUNTIF関数
4.まとめ

1.指定範囲や条件を満たすセルの個数を集計する方法

Excelで作成した名簿で、登録者の総人数を知りたいときってありますよね。また、売上票や現金出納帳などの帳簿で計上件数を求めたいといった事例もよくあります。こうした、データの総数を集計するときに便利なのがCOUNT関数です。Excelシートの右端にある番号から、総人数や総件数を求めることも可能ですが、膨大なデータになれば毎回確認するのも大変です。また、逝去者が出た場合など、帳簿の修正が入った場合に、集計し直すのも手間がかかります。そんなときに、今回紹介するCOUNT関数を用いれば、常に指定した範囲の数値の個数を集計することができます。また、COUNT関数の仲間である指定範囲内の空白でないセルの個数を集計するCOUNTA関数、指定範囲内で検索条件を満たすセルの件数を集計するCOUNTIF関数についても大変便利ですので合わせて解説します。

2. COUNT関数/COUNTA関数/COUNTIF関数とは

COUNT関数、COUNTA関数、COUNTIF関数は、いずれも指定した範囲のセルの数を集計する関数です。以下で、それぞれの機能や書式と、その違いについて説明します。

COUNT関数

関数名  COUNT(カウント)
機 能  指定範囲内の値が入力されているセルの個数を集計する
書 式  COUNT(指定範囲1[,指定範囲2,…])

指定範囲内の値が入力されているセルの個数を集計するのがCOUNT(カウント)関数です。カウントするのは数値の入ったセルのみで、文字列や空白のセルは無視されます。数値のデータの総件数を集計したい場合などに、この関数が用いられます。

COUNTA関数

関数名  COUNTA(カウントエー)
機 能  指定範囲内の空白でないセルの個数を集計する
書 式  COUNTA(指定範囲1[,指定範囲2,…])

指定範囲内の空白でないセルの個数を集計するのがCOUNTA(カウントエー)関数です。カウントするのは空白でないセルですので、COUNT関数と異なり、文字の入ったセルについても集計が可能です。名簿に登録されているメンバーの総人数を集計したい場合などは、人名というテキストをカウントすることになりますので、COUNT関数ではなくCOUNTA関数を用います。

COUNTIF関数

関数名  COUNTIF(カウントイフ)
機 能  指定範囲内で検索条件を満たすセルの件数を集計する
書 式  COUNTIF(指定範囲,検索条件)

指定範囲内で検索条件を満たすセルの件数を集計するのがCOUNTIF(カウントイフ)関数です。指定範囲内のセルの中で、条件にあったデータを抽出し集計することが可能です。例えば、テストの集計表で、合格点以上の人数を算出したいといったように、ある条件を満たすセルのみを検索しカウントすることができます。目標値をクリアした売上の件数を算出したり、逆に目標値に満たなかった売上の件数を算出することもできるので、業務報告やプレゼンなどビジネスシーンでも大活躍する関数です。

3.COUNT関数/COUNTA関数/COUNTA関数の使用方法

今回は、COUNT関数、COUNTA関数、COUNTIF関数それぞれの使用方法について、国語、数学、英語のテストの点数と3教科の合計点が集計された表で解説します。

COUNT関数


◉上の表で入力した実際の書式
=COUNT(G:G)

◉COUNT関数の書式を構成する要素

COUNT(指定範囲1[,指定範囲2,…])

最初にCOUNT関数を使って、テストの集計表にある合計点データの総件数を集計してみましょう。

1.COUNT関数の選択

セルに、半角で=を入力します。COUNTの最初の1〜2文字(COくらいまで)を入力すると、候補の関数がいくつか表示されますので、COUNTを選択します。すると自動的に数値を入力する()が表示されます。()の中に指定範囲1と指定範囲2の引数を入力していきます。

2.指定範囲1を入力

次に指定範囲1を入力します。ここではG列の総件数について集計してみましょう。G列を集計したい場合は()内に指定範囲1をGと入力します。

3.指定範囲2を入力

次に:で区切って、指定範囲2を入力します。()内に指定範囲1・2(G:G)が入力できました。これはG列の総件数について集計したい場合の入力方法です。指定範囲を G6:G19としても問題ありませんが、件数が多いデータについては列でカウントする方が簡単です。


COUNT関数は文字列や空白のセルは無視されます。したがって上記の表でも、合計と書かれたセルは無視されるて集計されています。数値が入っている欄のみが数えられるのがCOUNT関数です。

COUNTA関数


◉上の表で入力した実際の書式
=COUNTA(C:C)-1

◉COUNTA関数の書式を構成する要素

COUNTA(指定範囲1[,指定範囲2,…])

次にCOUNTA関数を使って、テストの集計表に記載されているメンバーの総人数を集計してみましょう。

1.COUNTA関数の選択

セルに、半角で=を入力します。COUNTAの最初の1〜2文字(COくらいまで)を入力すると、候補の関数がいくつか表示されますので、COUNTAを選択します。すると自動的に数値を入力する()が表示されます。()の中に指定範囲1と指定範囲2の引数を入力していきます。

2.指定範囲1を入力

次に指定範囲1を入力します。ここでは名簿に登録されている人の総人数について集計したいので、C列が指定範囲となりますので、()内に指定範囲1をCと入力します。

3.指定範囲2を入力

次に:で区切って、指定範囲2を入力します。()内に指定範囲1・2(C:C)が入力できました。これはC列全体を選択する指定範囲の入力方です。COUNTA関数は指定範囲内の空白でないセルの個数を集計する関数ですので、文字の入ったセルを数えることができます。しかし、列で選択すると表のヘッダ部分(見出し)にある名前もカウントされてしまいます。そこで(C:C)から−1と入力しておくと正しい総人数が算出されるようになります。もしくは指定範囲を C6:C19の19といったように数えたい範囲の列番号もいれた入力方法でも構いません。しかし、データの量が膨大になると選択範囲を指定するのも大変ですので(指定範囲1:指定範囲2)から、不要なセルの数を−する方法も覚えておきましょう。


このように、主に文字が入っているセルの数を集計したい場合に用いられるのがCOUNTA関数です。

COUNTIF関数


◉上の表で入力した実際の書式
=COUNTIF(D6:D19″>=70″)

◉COUNTIF関数の書式を構成する要素

COUNTIF(指定範囲,検索条件)

最後にCOUNTIF関数を使って、それぞれの教科で70点以上の人数を集計してみましょう。

1.COUNTIF関数の選択

セルに、半角で=を入力します。COUNTIFの最初の1〜2文字(COくらいまで)を入力すると、候補の関数がいくつか表示されますので、COUNTIFを選択します。すると自動的に数値を入力する()が表示されます。()の中に指定範囲と検索条件の引数を入力していきます。

2.指定範囲を入力

次に指定範囲を入力します。教科ごとの点数を条件を指定して集計したいので、まず一番左にある国語の列を選択します。COUNTIF関数は、COUNT関数と同じで基本は数値しか集計できませんので 指定範囲をD:D としても問題ありませんが、ここでは列番号を含めてD6:D19と入力しておきましょう。

3.検索条件を入力

次に検索条件を入力します。ここでは点数が70点以上の人数を調べたいので、比較演算子で〜以上を意味する>=を使って、>=70と入力します。この検索条件には、比較演算子の他にも、数値や文字列、セル範囲などが指定できます。数値とセル範囲外を指定したい場合は、””で囲むことで検索条件することが可能です。


オートフィル機能を使えば、数学、英語の欄についても同様の指定範囲と検索条件を自動入力することができます。上の表も各教科の70点以上の人数が簡単に表示されるようになりました。COUNTIF関数は、このように指定範囲内で検索条件を満たすセルの件数を数える関数です。

4.まとめ

COUNT系の関数は指定範囲や条件を満たすセルを数える関数なので、それほど大きなデータでなければ自分で列番号の最後を確認すれば事足りるのではないかと考えている方もいるかもしれません。確かにCOUNT系の関数単体では、必要性をあまり感じない場面もあるかもしれません。

例えば、今回サンプルにした表で3教科の合計点の平均点を出したい場合を考えてみましょう。平均点を出すには、平均点を算出する関数であるAVERAGE関数を用いるか、3教科の合計点を人数分すべて足した数字を全体の人数で割る必要がありますが、その際にCOUNT系の関数を用いることで、データ管理がしやすい集計表を作成することができます。

上記の表では、合計を出すSUM関数で出た数値の後に、乗算の記号である/を入力し、COUNTA関数で算出した総人数で割って平均点を出しています。関数を使えば、後で人数が増減する場合や、教科によって受験者数が違う場合などにも、新たに集計し直さなくても自動的に条件にあった人数を集計することができるので、非常に運用しやすいデータになるのです。

この他にも、COUNT系の関数の仲間には、空白のセルを集計するCOUNTBLANK関数や、複数の条件を満たすセルの個数を集計するCOUNTIFS関数などがあります。これらは今回紹介した関数の応用編ですので、COUNT関数、COUNTA関数、COUNTIF関数という基本の3つの違いをしっかりと覚えておけば、十分に使いこなせるでしょう。

昨今は、ビジネスシーンにおいてもビックデータを日常的に用いることが増えています。こうしたデータ管理においては、総件数や総人数などを集計するのも容易ではありません。COUNT系の関数は、業務効率を上げるためにも非常に重要な関数なのです。